君と僕の物語探検隊

迷えども、前へ。

西野亮廣の「魔法のコンパス」を読んで、レールから「はみ出したい」だけの人は読まない方がいいと思った

ライターのじょーです。

ブームからだいぶ遅れて西野亮廣さんの「魔法のコンパス」を読みました。

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正直めちゃくちゃ面白かったです。

お金の話、信用の話、道をはみ出して生きていくための考え方も行動の仕方もわかりやすく、面白く書いてあります。

正直に言うと、この本を読むまでこう思っていました。

キングコングの西野という人は好き好んでレールからはみ出る変わり者だと。ですが、この本を読んでそれは間違いだったなとわかりました。

西野さんはレールからはみ出したかったわけじゃないと思うからです。

「レールからはみ出す人のためのビジネス書」

本の帯にこう書いてあった、この文言はまさにその通りだなと思います。

僕は「レールからはみ出したいだけの人」にはちょっと危険だなと思いました。

もう自分がレールからはみ出ると決めている人にオススメの本です




レールから「はみ出した」のはただの結果論だ。

キングコングの西野さんは好き好んでレールからはみ出る変わり者じゃないと、最初に書きました。

その節目はおそらく本文の中にある「はねるのトびら」で結果を出せなかったという話です。逆にそれまでは、考えこそしているとはもちろん思いますが、いまここまではみ出るほどではなかったように思います。

そのはねるのトびらがゴールデンに進出し、知名度も収入も大きく上がり、芸人として自分でできる限りの成功を収めたけれど、世界は何も変わらなかったことに失望したと書いてありました。

自分の気持ちに真っすぐで、自分が考えうる最大限の好条件でなお、「スター」になれていないことに絶望する。頂上にタモリさんやダウンタウンさんや明石家さんまさんがいることに絶望する。

この人の欲望の強さに驚きました。まだ納得しないのかと。でも、よくよく考えると、これは自分が経験したことととてもよく似ていると思いました。ただし、ベクトルは逆向きでしたが。

僕は自分の能力のなさを補うべく、試行錯誤を繰り返してきました。

メモを取るようにしたら、メモをなくす。

色んな所に書くところを分散させたら、どこに何を書いたらいいかわからなくなる。

口に出して確認する習慣をつけても、一度てんぱりだしたら全部無駄になる。

4年の試行錯誤で、根本的に解決できる「手段」を試しつくしてしまった。

試しつくしたからこそ、何をしたらいいのかわからないということに絶望する。

そこまでやったからこそ、思い切った決断ができるんだと思います。

僕は何をしたらいいかわからなくなった結果、発達障害の診断を受け、「自閉症」の診断を受けました。レールから外れようと決めました。

頼りにしていた「常識」は自分を守ってくれないとわかりました。



西野さんも、ベクトルこそ超真逆ですが同じことが起きているように思いました。そこまで追い詰められたからこそ、根本的に自分を変えるか、諦めるかの決断を迫られたんだと思います。多分、物凄く追い詰められていた

だからこそ、思い切った「ひな壇を辞める」という決断ができたんだと思います。

そこに至るまでのキングコング西野さんの行動はある意味ではレールに乗って進んでいっていました。レールの先にあるものが欲しいものではないと気づいたからこそ迷わずレールを降りる決断をした。

このことが理解できてくるとレールを降りる決断は、奇抜でもナルシストでもなんでもないということが理解できてくるのではないでしょうか。

西野さんの思考量や行動量もものすごいと思いますが、僕が一番すごいと思うのはそれを支えているものだと思います。

自分の欲望の強さと、その気持ちに丁寧に向き合っているその真摯さがすごいなと思うんです。



はみ出すことを目的にする前に「ドキドキすること」を探せ。

レールから「はみ出したい」人にお勧めできないと思ったのは、レールをはみ出すための考え方なんて一度も触れていないと思うからです。

西野さんがレールから外れたのは目立ちたかったからなんて浅はかな理由ではないことがよくわかります。ただの結果論ですから。

だからこそ、西野さんは最後の言葉をこう締めます。

ドキドキしてる?

と。

自分の進みたい道が「レールから外れる」と気づいたときにこの本を読んでみるのが一番お勧めだと思いました。

自分の決めた道にドキドキできるかは、そのまま「怖くてもやりたいことをやっているかどうか」という意味で僕はとらえています。

多分その時にこの本は実践できる事例にあふれた実践書になるはずです。

そうじゃなくて、読む人は「西野さんってスゴイ!」で終わってしまうと思います。

それだと非常にもったいない。

だからまずは自分の気持ちに、問いに向き合ってみて下さい。この本の言葉を借りて言うなら、居心地の悪い空間に身を置いて、問いかけを探してみて下さい。実践するなら、まずはそこからだと感じました。


「好きなこと」で生きていこうとする人には最高の「魔法のコンパス」だ。

西野さんのやりたいことを形にするための行動量と、思考量の多さをすごく感じられるのに、読みやすくて理解しやすい。

自分がどこで躓いているのか見つめなおせると思います。信用を築けていないのか、向かい風を追い風に変えられていないのか。作ったものを「売る」ところまで考えられているのか。

そのために行動できているのか。できていないのか。

フリーランスや、ブロガーや、その他自分で何かしようとしている人にとってヒントになることがたくさんあること間違いないので、一度手に取ってみてほしいと思います。