怖いけど、自閉症スペクトラムだと公開します。
ポジティブでヘタレなライターの城です。
今日は僕の中で隠してきたことを告白しようと思う。本当はこのことを告白するかどうかはどっちでもいいと思っていた。
自分がわかっていればいいとだけ思っていた。自分のことを正直に告白することで、相手の見る目線が確実に変わってしまうから。ただ隠しておくことではないとも思っていた。隠しておくほど、恥ずかしいことなんだと思うと、自分を卑下してしまうから。
だから、いままでこのブログでも書いたことはなかった。でも、今日はその考えを覆そうと決めた。
ライターとして活動するうえで、このことを公表することが避けて通れないことだということだと思ったから。表現したいことにそのことを隠し続けることがデメリットになると思ったから。
「軽度の自閉症スペクトラムですね」
そう診断されたのは2016年11月、昨年のことだった。そのとき僕は29歳、仕事を転々として、うまくいかないことが多かった。
「周りのことをよく見ろ」
「焦らずにミスをするな」
「指示をちゃんと聞け」
同じことを何回も言われ、結局改善できなかった。そうして周りから「頑張っているけれど、できない人」であるという評価を下された。仕事を転々として、場所が変わっても何度も同じことを言われた。
だからって何もしなかったわけじゃない。メモを取るようにしたら、メモやペン自体がどこかになくなってしまう。そもそもすぐやればいいことでも嫌だなと思ったことを先延ばしにしてしまう。支持を自分なりに解釈しようとして、人から指摘を受ける。
社会人1年目であればそれも起こりうるだろう。でも、2年目、3年目になってもまるで解決しそうになかった。すこしは改善したものの、周りと比べたら、できるようになったとは言えないレベルだった。
そのことをたやすく乗り越えていける人が不思議でしょうがなかった。自分が亀で、周りが鳥みたいだと思った。さぼってはいないつもりなのに、どんどん差は開いていくばかりだった。
ずっと違和感はあった。でもそれは「自分が頑張っていないだけなんだ」という結論に至っただけだった。僕が努力をしていなくて、周りが頑張っているから差が開いているのだと思った。
心のどこかでやりたくないからさぼってしまいたいという気持がどこかにあった。だから、差が開いてしまうんだと思った。嫌だなということをやろうとすると、すごく先延ばしにしたくなる気持ちがあった。そうして、自分でも無意識に先延ばしにしていることに気づいていないことさえもあった。だから、それを直さなきゃいけないんだと自分を奮い立たせ試行錯誤した。
なのに、ちっとも改善はしなかった。いや、厳密にいうと10あるミスが7になったくらいの成果はある。でもそんなのは自己満足にしかならなかった。ただ周りから評価されるものではない。だから改善したなんて思ってもらえることはなかった。そのことは僕自身分かっていることでもあった。
「指示 忘れる」
「仕事 ミスが多い」
「周りが見えない 対策」
いろんな検索を試したと思うし、人からのアドバイスも試した。でも成果は微々たるものだった。そのことは会社以外の人に相談できなかった。信用できないという意味ではない。やるべきことがわかっているし、友達からの助言も見えていると思ったから。
「お前が頑張るだけだろ」
そう言われるだけだと思った。思っているのに行動できていないだけなんだ。そんなことさえ、頑張れない自分なんだとだんだん自分で責めるようになった。だから28歳になるまで長い間人に相談しなかった。
社会にでて5年も経つ中でずっと同じことで悩むことに違和感を覚えるようにもなった。
検索していると時折引っかかる言葉があった。
「大人の発達障害」
最初はそうなんじゃないとはじいていた。いや、心のどこかで認めたくなかったのかもしれない。そして一応それも開いても見たけれど、書いてあること全てが当てはまるわけではないからそうじゃないと思っていた。
自分の努力が足りないんだ。 そうやって検索窓に打ち込んだ言葉がどれだけになったかは分からない。でも、もう試すことがなくなりつつあった。自分なりに試したことばかりになった。
そういったときにある文言が心に引っかかった。
「ここに書いてることは発達障害の全ての全ての人に当てはまるものではありません」
少し耳障りな響きだったけれど、もしかすると本当に発達障害なのかもしれない。そう疑いだしていよいよ検査を受けることにした。
そうしてでた結論が「軽度の自閉症スペクトラム」という診断だった。
感情に左右されやすいと言われた。
まず顔にやりたいこともやりたくないこともはっきり出る。嫌だなと思うことはやらなければいけないとわかっていても手を出さない。そのかわりやりたいと思ったことなら一気に進めていける。それが人より極端だった。
1点に集中しやすく、複数のことを勧めるのが苦手だと言われた。
1個のことをやろうとすると、もう一つのことを忘れてしまうことがよくあった。
それが複数にまたがると漏れがあったり、忘れてしまうことがよくあった。
思い当たることがいっぱいあり、理解するのにそれほど時間はかからなかった。言われてみると少しも意外じゃなかった。
むしろほっとしたというのが正直な感想だった。
自分の努力が足りないわけじゃななかったんだと思えたから。努力の方向性が間違っているから成果が出なかったんだ。そうしてどうしていこうかちょっとずつ考えた。
「働かない」という選択肢はなかった。むしろ「働きたい」気持ちがあった。今まで社会に出て「必要とされている」と感じることがなかった。それが苦しくて仕方がなかった。どこかに自分が輝ける場所があると信じたかった。
「好き、嫌い」や感情で左右されすぎ、人と合わせることは苦手だから、正社員になるのは難しいと思った。だからってアルバイトで働くにしても難しいことが多かった。
自分に残ったのは言葉と伝えたい気持ちだけだった。その気持ちがあったのに、僕はそうしなかった。「書くこと」を仕事にするというリスクも怖かったし、そこまでしなくても生きていけると今までは思っていたから。でも、「そうまでしないと生きていけない」と思った。だから怖くてもやってみたい気持ちを大切にしようと思った。
ついつい自分のことばかり話してしまうこともあるし、失敗することもあるけれど少しずつ慣らしていこう。可能な限り「自分の情熱」が向けられることに自分の活動を向けよう。そうしていくことがきっと僕の働くにつながっていくと思っている。
その活動を続けていきたい。