君と僕の物語探検隊

迷えども、前へ。

会社を辞めてはじめて見えた、自分の未来。

「会社に行きたくない」、でも「まだ大丈夫」は大丈夫じゃなかったのかもしれない。

僕は過去会社から評価されず、自分なりにいろいろ試行錯誤してもうまくいかず、業務量過多の状態になっていました。

12時になるかならないかの時間に家に帰る日が続き、時には休日にもかかわらず現場に向かって職人と打ち合わせたりすることも少なくありませんでした。


決して楽しい日々ではなかったです。自分の力量の不足は原因のひとつにあったのは多分そうだと思うのですが、楽しくないことが圧倒的に多かった。

あまりにも、ボーとして車の運転中に前の車に突っ込みかけたこともあります。

でも、その時の自分には退職するという選択肢はありませんでした。自分の力量の不足から「どこに行っても同じだ」と思っていたからです。

辞めれるなら、辞めたかった。その気持ちはあったと思います。

でも、辞めた先に上手く転職できている未来を想像できませんでした。

だから、つらいなりに「頑張って」みるしかなかった。

自分の現場のことを一番把握しているのは自分だし、そう思うと、辞めることも難しいと思っていました。


それでも僕が転職したわけ

僕はその会社を4年勤めて退職しました。

「やりたいことがこの会社にはない」ということがわかってきたことと、そして、ちょうど、自分の現場がすべて終わって空きになる期間ができたことがきっかけでした。

迷惑をかけずに「辞められる」と気づいたときに、辞めたいというその気持ちは一気に膨れ上がりました。

何かが解決したわけではありません。自分の評価は少し変わりつつあったものの、僕が自信を持つにいたるほどの結果ではありませんでした。「頑張っているんだけれど、なんだか残念な人」という評価でした。

でも、未来に何の目標も描けなくて、モチベーションを見出せなくなっていました。

そして、僕は転職をします。

結果としては散々な目にあいました。

転職先でうまく関係が築けず、3か月で会社を辞め、そこから仕事を転々としてきました。

別の会社で違うことをしても、不思議なくらい「頑張っているんだけど、残念な子」の評価を下されました。



それでも「転職して後悔したことは一度もない」という思いは一瞬でも思ったことはありませんでした。


結果は散々、それでも転職してよかったと思えるのは自分と向き合うことができたから

退職できたからこそ、自分の能力のできなさに向き合うことができました。自分が「自閉症スペクトラム」だと知ることができました。

それはこの世界にはいろんな仕事があって、自分の生きていける形もすごくたくさんあることを自覚できたこと。自分の特性と向き合い生きていく方法として「書く」ということを手段に選ぶことができました。

もし会社を辞めていなければ、自分から命を絶ちたいと思っていなかったはずなのに、この本の著者のように命を絶つつもりもないのに、絶っていた可能性もあります。

辞めるつもりがなかったとき、「まだ大丈夫」だと思っていました。

休日出勤せざるを得なくなって、出るのが嫌で、胃が重くなっている感覚がありました。

トラブルに対応するときに何もかもがしんどくなって投げ出してしまおうと頭をよぎることもありました。

心の状態は身体に出ていたことに今思います。

会社を辞めて以来、自分の能力の低さを痛感することは見たくない現実でしたが、休日出勤するときの身体の重さよりはまだ全然ましでした。



だから、怖いとか、周りの目が気になるとか、そういうことの前に自分の身体を大事にしたほうがいいです。

「まだ大丈夫」は今思えば全然大丈夫じゃないサインでした。

いや、それでも自分は大丈夫だというなら、この本を読んでみてほしいです。

まじめで頑張りすぎて、本当は辛いのに辛いって言えないあなたが、そうじゃないかもしれないと一瞬でも思えるかもしれないから。



ではでは!